COLUMN グラベルロード研究室その1~近年大流行のグラベルロードっていったい何?~

近年、自転車のジャンルは細分化されていく傾向にあります。これは自転車に限った話ではありませんが、個人の余暇の楽しみ方が多様化する現代社会の流れが、自転車業界内にも巻き起こっているとも言えます。その中でも特に注目を集めているのが「グラベルロードバイク」です。そんな旬のグラベルロードバイクについて連載で解説していく「グラベルロード研究室」。その第一弾として、グラベルロードバイクの概要について解説していきます。
  1. グラベルロードバイクって何?
  2. どんな特徴があるの?
  3. こんな人におすすめ
  4. まとめ



1 グラベルロードバイクって何?

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グラベルとは「Gravel=砂利、未舗装路」と言うような意味です。つまり綺麗な路面というよりは荒れた路面、砂利道、オフロードのような道路を示す言葉です。ちなみに対義語は「tarmac=舗装路」と呼ばれます。

元々はアメリカ大陸のような広大でかつ未舗装路が多いようなロケーションの中を、数日、あるいは数週間〜数ヶ月かけて走破するために作られたのが始まりという説があります。オフロードといえばそれまではマウンテンバイクが主流でしたが、走行性能や軽さ、汎用性の高さ、ロケーションに適した改良が加えられて今のグラベルロードバイク に落ち着いていきました。

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グラベルロードバイクは非常に拡張性の高い自転車と言えます。通勤通学で使用している人からツーリングやロングライド、キャンプを絡めて旅に出てみる人にも。まさにロマン溢れる旬な自転車!
さらには自転車業界だけでなく、アウトドア系のショップの方も今こぞってグラベルロードバイクに乗り始めています。アウトドアと自転車それをシームレスに繋いでいく のがまさしく「グラベルロードバイク」と言えるのです。

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2 どんな特徴があるの?

すべてのモデルがドロップハンドルを採用しているので見た目はロードバイクそのものです。見た目だけは似ていますが、大きく異なっている点がいくつもあります。

グラベルロードバイクのフレーム設計には特徴があり、乗り比べるとすぐに分かるのですが、乗車姿勢(ポジション)がロードバイクと異なります。

姿勢

ロードバイクというと前傾姿勢がきついというイメージがありがちですが、グラベルロードバイクはロードバイクに比べてハンドル位置が高く作られているので、比較的前傾姿勢をゆったりと上半身がある程度起き上がっている状態で乗れるようになります。

その為、リラックスした状態で乗ることが可能で、未舗装路を走る際に視野を広く保ち、あらゆる地形に対応する事が出来る設計になっています。

ハンドル

もう一つ大きな特徴はハンドル幅の広さです。ロードバイクと比べてハンドル幅は広めに作られています。
グラベルロードバイクのハンドルは「ハの字」になっているモデルが多く、自分の好みの姿勢で乗ることができます。
この「ハの字」のドロップハンドルは握りやすく、衝撃を抑え込むことに大きく役立つので、直進安定性が増しカーブを曲がるときなどにも安定するといったメリットがあります。

タイヤ

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太いタイヤは、速く走る事に関しては不利ですが、走行時の安定性が向上します。その為、太いタイヤを装着したグラベルロードバイクは舗装路はもちろんのこと、オフロードでも安定した走りが可能となります。

グラベルロードバイクにはほとんどのモデルで、制動力が高い油圧ディスクブレーキが採用されています。ディスクブレーキ自体はコンディションが悪い道や悪天候でも制動力が落ちにくい特徴があるので、オフロード向きのブレーキと言えます。さらに油圧のおかげでブレーキタッチが安定し、軽く操作できるようになります。

その他

もう一つ細かい所ですが車輪の固定方式がロードバイクとは違います。ロードバイクに多く採用しているのはクイックリリースです。グラベルロードバイクに多く採用されているのはスルーアクスルです。特徴としては太い軸で頑丈な作りになる為、衝撃に強く、高い固定力を維持し、さらにはホイールを外して戻す際に安定した位置にセットができるのです。

そして、ダボ穴の数にも違いが現れます。ロードバイクはシートチューブとダウンチューブに4つのダボ穴がありますが、グラベルロードバイクはそこに加えてフロントフォークやトップチューブなどにダボ穴が付いていることがあります。そのおかげで、ドリンクホルダーやキャンプ道具、バイクパッキング道具など様々な物を装備する事が出来ます。

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さらにフレームバックやサドルバック、ハンドルバックなど装備していけば、たくさんの荷物でも持ち運べるようになります。拡張性が高いと言われる所以はこんなところに隠されています。


3 こんな人におすすめ

グラベルロードバイクはアウトドア好きにはもってこいの自転車と言えます。ダボ穴やキャリアや泥よけを取り付ける為のネジ穴が多くあり、荷物の積載能力が非常に高いです。グラベルロードバイクは荷物を抱える必要があるキャンプや釣りなど、アウトドアレジャーや旅に大活躍間違い無しの最適な1台です。

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しかしながらグラベルロードバイクだからと言って、必ずしも未舗装路に行く必要はないです。
街中を走る場合、細いタイヤが主流のロードバイクは小さな段差に気を使いながら乗りがちですが、グラベルロードバイクの太いタイヤは多少の段差であれば気にすることなく乗る越えていくことが出来ます。また、安定した乗り味と積載能力、雨の日でもしっかりとした制動力がある油圧ディスクブレーキを搭載している自転車は通勤・通学にもピッタリの1台です。



4 まとめ

グラベルロードバイクは初めて自転車に乗る方から今まで自転車を乗ってきた方まで誰でも気持ち良く乗れる自転車です。自転車の特徴は多くのモデルで油圧ディスクブレーキ、太めのタイヤ、スルーアクスルを採用、乗りやすいフレーム設計で通勤や通学、ロングライドにぴったりで今まで自転車に乗ってこなかった人でも楽に走れます。

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体を動かしてこなかった人だとすれば自転車と一緒に乗り手も成長していけるのがグラベルロードバイクのいい所です。走る事に慣れてきたらグラベルロードバイクで非日常を体感することも容易にできます。

河原や林道など普段は走らないような場所を走り、風を感じ、今までにない風景を眺め、五感を研ぎ澄ませながらライドを楽しめます。グラベルロードバイクには、砂利道を自転車で走り泥だらけになって遊んだ少年時代の冒険心をくすぐるロマン溢れる大人のための1台と言えるでしょう。



ライター情報
名前:やまやゆうぢ
ひとこと、PR、プロフィール(あれば):アウトドアをシームレスに繋いでいく男

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