COLUMN 【サイクリングスポット】身近なスポットを巡る街中サイクリング ~大阪府豊中市~

大阪市中心部から阪急宝塚線で約12分。阪急豊中駅のある豊中市は人口約40万人の大阪の中核都市だ。 サイクリングや旅行、というと有名な観光名所や絶景スポットを訪れるもの、というイメージが浮かびやすい。 しかし、今回はここ豊中市を舞台に身近な街をじっくりと巡る事で、これまで気がつかなかった発見がある街中小旅行サイクリングを紹介しよう。

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阪急豊中駅。ハローサイクリングが設置されていて気軽にサイクリングに出かけられる。

高校野球発祥の地

前回、服部天神駅から伊丹空港までの道のりの際にも紹介したのが、豊中市は高校野球発祥の地

阪急豊中駅から西に少し行った住宅街の中に、突然と現れるのが高校野球発祥の地記念公園だ。

実際に大会が行われたグラウンドの場所が現在は公園として整備され、小さいながらも当時の様子を見る事ができる。

公園内には、グラウンドで実際に使用されていたレンガの壁を一部復元。当時のレンガに触れると、応援の歓声が聞こえてくるような気がするのが不思議だ。

野球のベンチならぬホームベース状の椅子も設置されていて、野球の雰囲気を醸し出している。

※高校野球発祥の地記念公園は自転車の走行は禁止されているため、駐輪しておく、もしくは園内は自転車を降りて歩行してください。

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赤レンガに青銅の文字。近代の歴史を感じさせる組合せ。

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1915年、当時のレンガに触れる事ができる壁。

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第一回、第二回の出場校を確認できる。

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公園にある椅子は、野球場にあるベンチではなくホームベースの形をしている。

北摂のおいなりさん 豊中稲荷神社

大阪の北部から兵庫の南東部は北摂と呼ばれ、ここ豊中市を通る阪急宝塚線沿線や地下鉄御堂筋線へと繋がる北大阪急行沿線は住宅環境としても人気のエリアとなっている。

北摂のおいなりさん、豊中稲荷神社は阪急豊中駅の近くにもあり周辺に住む市民の方が通勤の際に参拝していく姿が見られる。

広々とした境内には鳥のさえずりが聞こえ、仕事前に静かに無事を祈り一日をスタートしていった。

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阪急豊中駅からほど近い豊中稲荷神社。

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稲荷神社特有の連続した鳥居。


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白狐が鎮座する。

カトリック豊中教会

豊中稲荷神社の向かい側にあるカトリック豊中教会は昭和14年の建てられ、木造平屋一部2階建ての建物は現在では国の有形文化財として登録されている。

日本の多くの教会の設計を行ったチェコの建築家ヤン・ヨゼフ・スワガーによる設計で、丸太柱や格天井などの和風デザインを採り入れた木造和風教会の代表的な建物だ。

静かな聖堂の中で誰でも祈りに訪れる事ができるよう、午前7時~午後5時まで開放されている。

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道路からも鐘塔が見える。

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門を入ると正面にキリスト像が見える。

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静粛な聖堂。

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聖母マリアの象徴、百合。

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祭壇横に据えられたオルガン。

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ほのかな灯りの元、祈りの時間を送る事ができる。

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丸太柱と格子状の天井に和様式が見える。

豊中不動尊

北上しながら住宅街を抜けて豊中不動尊に到着。無病息災、学業成就と多様な祈祷に毎日多くの人が訪れる不動尊。境内に入ると、太陽の塔のオブジェが迎えてくれ、きゅうり封じと書かれた巨大なきゅうりの熱烈な歓迎を受けた。

地元豊中市民から「豊中のお不動さん」として呼ばれ、滞在中も参拝者が絶える事が無い。境内の中ほどに立つ観音像にも祈る姿が見られた。

巨大なきゅうりは「きゅうり封じ」のために置かれ、シトルリンを中心とした夏の栄養食材であるきゅうりにあやかり、暑い夏を無事に乗り切るように祈願する。

丁度サイクリングで汗をかいたので、きゅうり封じに祈願。次の目的地、服部緑地にある日本民家集落博物館を目指した。

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太陽の塔のオブジェに迎えられた豊中不動尊。(2022年の島熊山キャンドルナイトにて制作。2ヵ月限定で設置。)

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身代わり観音。

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きゅうりにあやかり暑い夏を乗り切る祈祷、きゅうり封じ。(「夏の土用の丑」前後3ヵ月間設置) 

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寺社の大きな提灯はフォトジェニック。

日本民家集落博物館

服部緑地までの道すがら、珍しい標識が目に留まった。

タヌキ 横断注意

何度か大阪北部の山中では遭遇した事もあったタヌキは、ここ豊中市の住宅街でも出没するらしい。思わず標識の向こうにある森の中にタヌキがいないか、確認してしまった。

さて、道中の標識に驚きながら大阪府営服部緑地に到着。東京ドーム約27個分の広さを持つ広大な緑地公園は、ジョギングや散歩、サイクリングを楽しむ人、スケッチの課外授業の小学生達で賑わっていた。

かつては競輪場があったという服部緑地。1950年から1955年という短い期間に競輪が開催されていたトラックは現在では陸上競技場として整備されている。他にもプールや野外音楽堂といった施設が園内にあり、スポーツはもちろん文化的にも厚みのある施設だ。

今回は、その中でも日本の家屋を集めた屋外博物館、日本民家集落博物館を訪問した。

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狸も行き交う豊中市の街中。

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豊中市民の憩いの場、服部緑地公園。

日本民家集落博物館は、江戸時代から明治初期に建てられた家屋12棟を日本の各地から集め、屋外保存し展示している。

北は岩手県から南は奄美大島まで、形の異なる様々な住居は、雨や雪といったその土地土地の気候の違いを思い起こさせ、当時の生活を頭の中に想像させてくれる。

雪深い土地の建物らしい茅葺の屋根や、風通しの良さそうな奄美大島の高倉など、まだ電気やガスなどのライフラインの無かった時代に、それぞれの気候風土に合わせた工夫が施された住居が森の中に並び、タイムスリップしたような里山の光景をたっぷりと楽しむ事ができるだろう。

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タイムスリップした雰囲気の日本民家集落博物館。

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茅葺屋根と茅壁でできた重要文化財の家屋を間近で見る事ができる。

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地蔵尊も移設され、雰囲気を醸し出している。

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当時の様子が垣間見える屋内。

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囲炉裏も再現されている。

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北大阪急行緑地公園駅のハローサイクリング、サイクルステーションが利用できる。

タイムスリップの空間を脱出し、緑地公園駅にあるサイクルステーションでシェアサイクルを返却。

自由度の高いシェアサイクルで街中の小旅行を楽しんだ。時間によってはこのまま伊丹空港までの道のりを繋げても良い。

その日の天候や体力などによって様々なコースで街中を動き回れるシェアサイクルで休日のサイクリングを楽しんでみてはいかがだろうか?

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