COLUMN 【サイクリングスポット】静かな小路で巡る京都 千代の古道 -梅宮大社・松尾大社~嵯峨・嵐山-

まだまだ寒い時期ながら立春というだけあって日によっては春めいた温かさのある日もある2月初旬。梅の花の便りが届きだす前に、京都の隠れた梅スポットである梅津の梅宮大社を訪れた。 実は梅宮大社は、これまた隠れた歴史の小路である千代の古道の道標がスタートする起点。京都が都であった平安の時代に天皇や貴族達が嵯峨大覚寺へ参拝に訪れた際に使ったとされる路がここ梅宮大社から始まる。 メインとなる通りとは違う裏の小路を進みながら京都の歴史を感じてみよう。

梅宮大社

京都で梅というと北野白梅町にある学問の神様、菅原道真を祀る北野天満宮が有名。合格祈願の時期と梅の開花時期が重なることからも2月から3月にかけては参拝の人で賑わう。

京都市内を流れる桂川にほど近い、ここ梅津の地に鎮座する梅宮大社は平安時代より続く神社。嵯峨天皇の皇后、橘嘉智子が祈願し子宝を授かった事から子授け、安産の神として、また酒解神を祭神としている事から酒造の神として信仰されている。梅苑が隣接しており梅の花の時期になると華やいだ雰囲気に包まれる神社。北野白梅町よりも落ち着いたロケーションにある梅宮大社は、嵐山・嵯峨をゆっくりと巡るサイクリングで是非訪れておきたい。

酒樽が並ぶ門をくぐり境内に進む。朝の時間帯から参拝客が絶えない境内には梅の木、さらに隣接してある梅苑に梅の木が並んでいた。2月初旬まだ咲くには早く、しかも降雪の直後という事で梅の花はまばらだったが、木についた一部の梅の花が美しく見えた。

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日本第一酒造、安産と掘られた石柱が建つ門前。

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本殿には酒解神が祀られており、酒造の守護神として知られている。

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訪れたのはまだ梅が咲くには時期の早い2月初旬。

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境内に咲く紅梅

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梅・うめにちなんだ絵馬

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本殿にいくつか掛けられている鈴。

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本殿。

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拝殿。

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境内の横に梅苑がある。

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梅苑の白梅

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梅苑の紅梅。

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防風の役目がある竹林。

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境内の木に鷺が留まる。

千代の古道 嵯峨を行く

梅宮大社を出て嵯峨広沢池に向かう。住宅地、農耕地を通る小路には「千代の古道」と名付けられている。

嵯峨大覚寺へと続くこの道は平安時代に天皇や貴族が通り歌にも詠まれたという道。京都市内を走る数々の通りとは異なり、派手さや華やかさは一切無いひっそりとした趣で奥深い京都の一面を味わう事ができる。

梅宮大社から住宅街を抜けていく細い路地。建ち並ぶ民家の合間合間には畑があり、沿道ではところどころに無人の野菜販売所が設けられている。

九条ネギや壬生菜といった京野菜をはじめ、四季折々の野菜が売られサイクリングの際の京土産にもちょうどいい地物野菜。

途中、嵐電やJR山陰本線の線路を横切りながら、千代の古道で北上。大通りの丸太町通りを越えたら嵯峨、広沢池に辿り着いた。

平安時代中期に寺の庭池として整備された広沢池。池も含めて開けた景色は、幾度となく時代劇のロケーションで使われ、2月の水が無い池の姿は果たし合いのカットが目に浮かんでくる。春には桜、夏から秋には池の生物を観察に訪れる小学生達で今も賑わう。

池に突き出た観音島には千手観音像が池から東方に向いて立つ。弁天堂が建つ島先端から見る景色は京都市街散策とは全く違った印象を受ける。

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千代の古道。ところどころに道標が建てられている。

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貴族達が月見をした事で知られる広沢池。

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観音島にある千手観音像。

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寛永時代に作られた石造は風雨にも耐え今に至る。

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観音島先端にある弁天堂。

千代の古道のハイライト

梅宮大社から北上して大覚寺へと続く千代の古道。

そのハイライトは何と言ってもこの広沢池から大覚寺への道。先ほどまでの農耕地、住宅地とは違い、田畑から京北の山々が眼前に広がる何とも風情のある道を通る。

いにしえの面影を残すだろうこの景色、観光客で賑わう嵐山からほど近い場所にも関わらず静かな光景は歴史ロマンに溢れている。

千代の古道。

道の上に広がる空を見上げ、悠久の時を感じながら大覚寺へと走って行く。

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嵯峨にある道標。

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広沢池から大覚寺へは田畑の中を通る。

大覚寺から嵐山 コロッケを食べる

広沢池から田畑を抜け、大覚寺に辿り着いた。始まりに訪れた梅宮大社が嵯峨天皇の皇后の子授け祈願の社、ここ大覚寺はその嵯峨天皇の離宮を寺に改めたのが起源。

嵯峨は御陵もある皇室ゆかりの地。これまでの道のり同様、静かな空間に心が落ち着くだろう。

千代の古道は、ここ大覚寺で終点を迎える。ここから南下し嵐山から松尾大社まで抜けるルートは渡月橋を除いて、小路を基本に走って行こう。

この辺りまで来ると当然のことながら小腹もすいてくる。嵐山での補給食はコロッケ。この日はコロッケと豚串揚げを補給。補給後、さらに小路を入り嵐電の電車が過ぎるのを待つ。観光列車のイメージが浮かぶが、れっきとした生活の足となっている鉄道だ。

踏切を越えると左手に、広くとられた静かな空間が目に入った。これはもしや? と思い入ると長慶天皇の東陵だ。嵯峨は古墳や陵墓が点在している。宮内庁の看板が周囲との境目を記していた。

この長慶天皇東陵に隣接する形で安倍晴明の墓もあり、興味深い場所。京都の見どころの奥深さが体感できる。

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嵯峨大覚寺。

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凛とした空間の大覚寺。

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行列のできるコロッケを食べる。

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四条大宮から嵐山を結ぶ京福電気鉄道の嵐電。一両の車輛が可愛い。

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長慶天皇嵯峨東陵。

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観光客で賑わう嵐山とは思えない静かな空間。

渡月橋を渡り松尾大社へ

嵐山の観光ポイント、渡月橋で桂川を渡り対岸へ。

松尾大社までのルートは西にある山際に静かな小路を通る。車通りも少なく、ゆっくりとしたペースで京都観光サイクリングの雰囲気が味わいながら松尾大社に到着。

鳥居をくぐり、境内に入ると酒樽が並ぶのが目に入ってくる。ここ松尾大社も梅宮大社と同じく酒造の神社。開拓、農耕、そして酒造りと、この地の成り立ちを知る事ができた。

境内をゆっくりと散策したら、みたらし団子を食べて休憩。帰路に就いた。

 

京都、特に春の京都は混雑する。しかし、今回のような隠れた小路を繋いでサイクリングをすると静かな京都を効率的に巡る事ができる。

行き交う地元の京都市民の方たちも自転車を活用しているのが実際に現地に行くと分かる事だろう。

京都はズバリ、自転車で移動するのが便利だ。

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松尾大社。

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様々な酒蔵の樽が並ぶ。

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松尾大社本殿。

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  • 京都 千代の古道
  • 阪急電鉄松尾大社駅-梅宮大社-広沢池-大覚寺-嵐山-松尾大社-松尾大社駅
  • 走行距離:約10km
  • 消費カロリー:約250kcal
  • レンタサイクル:阪急嵐山駅にレンタサイクルが設置されています。
  • シェアサイクル:阪急洛西口店にハローサイクリングのシェアサイクルが設置されています。
  • レンタルバイク:サイクルベースあさひ洛西口店

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