COLUMN 【サイクリングスポット】坂の都 東京サイクリング 神保町 本郷 谷中 護国寺

東京都都市整備局が提案する「東京都おすすめ自転車ルート」を元に、神保町から護国寺にかけの「都心の緑をめぐって」を辿った。

東京 TOKYO トーキョー

東京でサイクリングと聞くと、「走れるところあるの?」という問いが思い浮かぶのではないだろうか。( 緑の都 東京サイクリング 汐留 六本木 青山 神宮水の都 東京サイクリング 日本橋 両国 浅草 上野

高層ビルや渋滞、混雑、といった大都会のイメージが先行して、のんびりゆったりのサイクリングには程遠い光景が浮かんでしまう。

東京都都市整備局が提案する「東京都おすすめ自転車ルート」を元に、神保町から護国寺にかけの「都心の緑をめぐって」を辿った。

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平日午前9時の神保町界隈。自転車用レーンに従って走行する。

神保町

神田神保町。書店とスポーツ用品店が軒を連ねる神保町は周辺の大学に通う学生はもちろん、全国各地からも訪れる人の多いスポットだ。今回の東京サイクリングはここ神保町からスタートする。

通り沿いにある学術書の専門店や古書店には多くの書物が積み重ねられるように置かれている。書店の棚から自分で見つけるのに加え、書店の店員の方に聞いて見つけてもらうのも楽しみ方の一つ。タッチパネル操作で本を探すのではなく、店員の方の頭の中にあるデータベースを使用して山のような本棚の中からお目当ての本を出してくれる技に感動する。

この神保町で本を眺めていると、書物の多さに時間が経つのを忘れてしまう。適度なタイミングで、サイクリングへと戻ろう。

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古書店巡りは本とのめぐり合せを楽しめる。

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神保町からNTT駿河台の前を通り、御茶ノ水駅へ。早くも坂が現れた。

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1891年建築の重要文化財、ニコライ堂。

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地下鉄丸ノ内線、JR総武線が走る神田川にかかる聖橋からの眺め。

湯島聖堂

神保町から御茶ノ水駅へは坂道を登る。江戸時代に池田市之丞の屋敷があった事から名づけられた池田坂。実は東京中心部は山という山は無いものの、坂道が非常に多い。特に今回のルートのある千代田区、文京区に多いのだ。小刻みに登り下りを繰り返す、このルート。適度なエクササイズになるのは間違いない。

御茶ノ水駅から聖橋を渡り、湯島聖堂へ。

江戸時代に建てられた湯島聖堂は日本の学校教育発祥の地だ。江戸幕府直轄の学校として、ここに昌平坂学問所が開設された。関東大震災で敷地内のほとんどの建物が消失。現在の建物は昭和10年に建てられている。生い茂る緑の中に現れる大正殿。孔子を祀り、受験シーズンを前に多くの受験生が合格祈願に訪れる。

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日本の学校教育発祥の地、湯島聖堂。

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湯島天神と合わせ、多くの受験生が合格祈願に訪れる。

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TBSドラマ、西遊記のロケが行われた大正殿。

神田神社

湯島聖堂から少しの登り坂を行くと神田神社が見えてくる。神田明神とも呼ばれ、大黒天、恵比寿天、平将門を祀る神社として参拝客が訪れる。徳川家康も関ヶ原の合戦を前に神田明神に戦勝の祈祷に訪れた。江戸総鎮守として江戸を護ってきた社は、規模は大きくはないものの東京寺社巡りの中でも人気の高いスポットとなっている。

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東京大空襲にも耐えた鉄骨鉄筋コンクリート造の本殿。

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隨神門にある神馬像。

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伊勢神宮の御田(神田)が多くあったのが、神田の名の由来。

湯島天神

神田明神からほど近い場所にある学問の神様、菅原道真を祀る湯島天神。先に紹介した湯島聖堂と合わせ、学業成就の参拝が多い神社。

上野不忍池からも近く、都会の中のオアシス的な境内の木々にほっと一息つける場所となっている。

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受験生はもちろん、観光で訪れる方も多い湯島天神。

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色づき始めた湯島天神の境内。

都立旧岩崎邸庭園

湯島天満宮から東京大学への道の途中、地図上に気になる緑の区分が現れた。旧岩崎邸庭園、三菱財閥の岩崎家本邸を庭園として整備し当時の建物の様子を見る事ができる重要文化財だ。

当時の敷地からは縮小されているものの、現在でも16,912㎡という広さの中に迎賓館、邸宅、遊技場と3つの建物が残り、建物の周りを緑の庭園が囲んでいる。

駐輪場も設置されているので、歴史建造物ファンならずとも是非、寄っておきたいスポットだ。1896年に竣工された邸宅で関東大震災の際には避難所として庭園が一般開放されたという。

靴を脱ぎ、かつて迎賓館として使われていた洋館の中に入る。外観はもちろん、建物内部も見応えがあり終始その歴史的価値に感銘を受ける。

明治から昭和にかけての近代日本財閥の優美な様子に触れる事ができる。

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旧岩崎邸庭園の近くにある三菱経済研究所。1階に歴史資料館があり三菱の歴史を見る事ができる。

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近くの無縁寺からとられた名前の無縁坂。左に見える旧岩崎邸庭園のレンガが味わい深い。

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東京の中心部に立つ洋館。迫力のある佇まいだ。

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洋館2階部分へと続く階段。歴史を感じさせる作り。

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カーテン、テーブル、椅子、窓枠。迎賓館としての機能美を醸し出している。

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お手洗いの展示。現代では見る事のないデザインだ。

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生活棟として使用された和館にある襖、障子、畳。

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和館からの洋館の眺め。日本庭園の向こうに洋式の柱が見える。

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岩崎邸の向こうには東京大学病院が見える。

東京大学

旧岩崎邸庭園から見える位置にある東京大学。安田講堂へと続く並木道も色づく木々が東京都都市整備局のサイクリング提案でも紹介されている。

覆い茂る木々の葉が見事に空一面を埋め尽くしている。秋の静かな構内で写生に勤しむ方の姿にゆっくりとした時間の流れを感じた。

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正門から安田講堂へと続く並木道。写生をする姿が見える。

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東京大学安田講堂。

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機械工学と造船工学を教えたイギリス人、チャールズ・ディクソンの胸像。

谷中銀座

東京大学から嗜好を変えて商店街に立ち寄る行程。谷中銀座までの道のりは下町らしい市街地を抜けていく。道路には自転車レーンが記されているため、多少の雑踏感はあるものの走る場所を認識しやすく走りやすい道を行く。

谷中銀座に到着。生活の場であり、観光名所ともなっている商店街は活気があって楽しい。サイクリング開始から程よい時間も経過。名物の谷中メンチカツを食べて、商店街を散策していこう。

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市街地の道路には自転車レーンがあり、どこを走ったら良いかが分かりやすくなっている。

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森鷗外ゆかりの地、文京区。

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ひぐらしの里谷中銀座。

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名物の谷中メンチカツ。

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谷中銀座から六義園へ。自転車レーンを走る姿の向こうに坂道が見える。

六義園

旧岩崎邸庭園に続き、こちら六義園も都立の庭園。江戸時代に作られた大名庭園の広さは87,809㎡。入園料を払い中に入れば、春は桜、秋には紅葉の静かな庭園の景色を楽しむ事ができる。

所々に整備された史跡庭園が点在する東京。アスファルトとビルだけではない都会の中の緑の空間をはしごしながらサイクリングをするというのは東京ならではの楽しみと言えよう。

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六義園正門、入って右側に駐輪場がある。

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広々とした大名庭園、池の周囲を散策していく。

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木々で空が見えない散策路。鳥のさえずりも聞こえリラックスできる。

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茅葺屋根の休憩所。都会の中心で茅葺屋根の建物を見るのも驚きだ。

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空の抜け方が気持ちい広い園内。

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左折用の自転車レーン。

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六義園から護国寺までもアップダウンを繰り返す。平地のイメージがある都区内、千代田区から文京区は坂道が多い。

護国寺

六義園から再びアップダウンを繰り返す市街地の道路を走る。この日のルートである千代田区から文京区は本当に坂道が多い。短い距離とは言え、それなりに脚も疲れてきたところで最終目的地の護国寺に到着。

道路標識でも「護国寺」と記されているため、迷う事無くゴールに辿り着いた。

江戸時代からの建物の多い東京の史跡巡り。ここ護国寺の本堂も江戸時代の1697年建立。本堂の梁をはじめそこかしこに歴史を感じる事ができ、広い境内をザクザクと足音を立てながらゆっくりと散策するのが良いだろう。

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護国寺参道。

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1691年建立の護国寺本堂。

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本堂は国の重要文化財となっている。

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色づく葉と大仏座像。

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護国寺の仁王像。

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紅葉の季節にも訪れたい護国寺。

サイクリングとの相性の良い街 TOKYO

神保町から護国寺にかけても史跡が多く点在していてサイクリングに最適。これまでのルートと合わせ、東京はサイクリングとの相性が良い街という確証を得た。

  • 坂の都 東京サイクリング 神保町 本郷 谷中 護国寺
  • 神保町~湯島聖堂~神田明神~湯島天神~旧岩崎邸庭園~東京大学~谷中銀座~六義園~護国寺
  • 距離:約12km
  • 消費カロリー:約260kcal
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