COLUMN 【サイクリングスポット】移り行く近代史の旅 ~京都府 舞鶴市~

京都府舞鶴市。京都の海の玄関口は明治時代から軍港として栄え、当時建てられた赤レンガ倉庫をはじめとした歴史的建造物を利用した数々の映画ロケ地としても有名だ。 夏には岩牡蠣、冬には真牡蠣が美味しく、日本海で獲れる海の幸を目的に訪れる人も絶えない。舞鶴の赤レンガ倉庫からスタートし、舞鶴湾を東へ西へ軍港の歴史に触れながら、牡蠣を食べるサイクリングに出かけてきた。

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撮影スポットのハッシュタグ。

赤レンガ倉庫

湾の入り口が入り組んだ形状を持つ舞鶴湾。防御に優れた港という事で、明治時代に日本海側で唯一の軍港として最重要施設の意味を持つ舞鶴鎮守府が置かれた。

舞鶴市役所に隣接する赤レンガ倉庫はその当時から残る建物。明治時代から昭和の武器庫としての軍事利用を経て戦後は市や民間施設としても利用されてきた建物だが、現在では展示施設や特産物販売の他、演奏会をはじめとした催し物会場として利用されている。

敷地内に並ぶ倉庫棟のどれもが凛とした姿勢で建ち並び、終戦間際の1945年7月27日、舞鶴を襲った空襲に耐え残ったレンガの色に、歴史がにじみ出ていた。

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建築年代 明治参拾伍年 と掘られた案内碑。

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倉庫らしい格子が張られた窓。

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現在は演奏会などにも利用されている倉庫内部。

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2号棟は市政記念館となっていて、舞鶴市の先史から現代までを展示紹介している。

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3号棟にある売店には海軍の定番「カレー」が所狭しと並べられている。

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開放的な屋外博物館の様相を成す赤レンガ倉庫群。

赤レンガ周辺の散走から始めよう

赤レンガ倉庫にはカフェ施設も充実。敷地全体が博物館のように設けられている。じっくりと舞鶴の歴史展示を見てからカフェで休憩したら、施設にあるレンタサイクルで周辺の散走に出かけよう。映画のロケ地をいくつか辿って行く海沿いサイクリングだ。

海上自衛隊の艦船を横目に見ながら、舞鶴鎮守府の歴代司令長官が住んだという東郷邸へ向かう。

港から少しの坂道を登ったところに自衛官官舎と宿舎があり、その建物群の中にひっそりと東郷邸が建つ。

洋館と日本の家屋を組み合わせた建物が塀越しに見える。あいにく月に一度、第一日曜日のみの開放という事で敷地内に入る事はできなかったものの、整備の行き届いた綺麗な建物を遠目に見る事ができた。

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赤レンガ倉庫にはレンタサイクルが設置されている。

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東郷邸と呼ばれる鎮守府司令長官の邸宅。毎月第一日曜日のみ一般開放されている。

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戦後は、海上自衛隊舞鶴地方総監部が置かれ、艦船が停泊しているのを見る事ができる。

自然に帰る遺構

東郷邸を後にし、再び赤レンガ倉庫の前を通って次なる目標は、少し山側に入ったところにある第三火薬廠だ。

昭和に入り、日本で宮城、神奈川、そしてこの京都府舞鶴の3か所に設けられた海軍の弾薬工場の一つ。舞鶴の第三火薬廠の広大な敷地は戦後、校舎や公園などに一部が変わったが、いくつかの施設が残っている。廃墟となっている施設がほとんどだが、一部状態の良い施設は防空壕という設定で映画ロケで利用された。

少し砂利道を入ると、廃墟と化した建物が見えてくる。爆薬工場、乾燥施設、火薬庫が点在しており、建物は窓枠などが外れ鬱蒼と茂る木々が、まるで建物を飲み込んでいるようにも見える。

先ほどまでいた赤レンガ倉庫よりも後に建てられた爆薬工場施設群だが、放置されているとこのようになるのか。と時の流れ感じる。

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舞鶴高専の近くの林道から入る。

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放置されたままの火薬工場施設群が連なっている。

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建物への木の絡み具合に時の流れを見る事ができる。

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覆いかぶさる木と朽ちていく建物。赤レンガ倉庫周辺の建物群とのコントラストが激しい。

海沿いへ戻り、海鮮へ

山沿いから再び海沿いへ走る。舞鶴の海は小高い山に近く、流れる景色が変化に富んでいて楽しい。

見えてくる舞鶴クレインブリッジは全長が735m。2羽の鶴をモチーフにした美しい橋だ。周辺には舞鶴引揚記念館や、ふるるファーム、舞鶴親海公園といったスポットも充実。橋を渡りながらの絶景を楽しんで、ふるるファームや舞鶴親海公園でランチ休憩というのも良いだろう。

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全長735mのクレインブリッジ。

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舞鶴クレインブリッジから舞鶴親海公園へと向かう道沿いで。

舞鶴親海公園から再び舞鶴クレインブリッジを渡り、西舞鶴方面へ。来た道を戻る事になるが、向いている方向が違うと景色も変わる。来た時には気づかなかった発見もあるのが面白い。

舞鶴に来たらここは外せないのが、道の駅 舞鶴港とれとれセンターだ。海鮮市場には舞鶴港で水揚げされた海産物や、地元特産品が並んでいて土産物を買うのはもちろん、新鮮な魚介類を食べる事ができる。特に夏は岩牡蠣、冬は真牡蠣と牡蠣好きにはたまらないグルメスポットとして賑わう。

海に山にと舞鶴を走り尽くしたら、ここで舞鶴を食べ尽くして家路に就こう。

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舞鶴とれとれセンター 海鮮市場。

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名物の焼き鯖が並ぶ。

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お土産はもちろん、食べる事もできる。

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牡蠣が美味しい舞鶴。夏場は大きな岩牡蠣の季節だ。

  • 移り行く近代史の旅 ~京都府 舞鶴市~
  • 赤レンガ倉庫-東郷邸-第三火薬廠-舞鶴クレインブリッジ-舞鶴親海公園-道の駅舞鶴港とれとれセンター
  • 走行距離:45km
  • 消費カロリー:約1000kcal
  • レンタサイクル:赤レンガパーク(WEBサイト 外部リンク)にレンタサイクルが設置されています。

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