COLUMN 【グルメ】オムライスを食べてHAPPY LIFE ~HAMP3rd~

史跡や金魚など見どころが盛りだくさんの奈良県大和郡山市。その大和郡山の街を少し南に行くとログハウス調の建物が見えてくる。 その名はHAMP3rd。どうもオムライスが美味しいという事を聞いたので、サイクリング後のタンパク質補給に寄ってみる。 店先には無造作に置かれたクラシックな赤いマウンテンバイク。佇まいから想像するに、これはきっとこの店のオーナーのもの。 「サイクリングが好きなシェフの飯は美味い」というのが私の自論の一つ。期待を胸に店の扉を開けた。

サイクリングで寄ってみたくなる

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往年の名車が店先に置かれている。

店内はそこかしこに本や雑誌、そして壁には何かの競技大会のゼッケンが並ぶ。そうか、ここのオーナーはスポーツが好きで読書も好き。と想像が膨らむ。蔵書の数々からも、「本でも読みながら過ごして」というのが見て取れる店内、確かにゆっくりと過ごすのに良さそうだ。

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壁にはマラソンやトライアスロンなどの大会ゼッケンが並ぶ。左奥の棚は雑誌が保管されている。

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お客様から贈られたというイタリア一周自転車レース、ジロデイタリアの写真が大きく飾られていた。

オムライスはテクニック

1996年にここ大和郡山市で創業。今年で26年、継ぎ足し継ぎ足しで煮込みに煮込んだデミグラスソースがかかったオムライスが一番人気。

「じゃあデミグラスソースのオムライスで」と、迷う事もなく注文。メニューにも「本でも読んでゆっくり待っててください」と書かれているので、店内の写真を撮らせていただきながら「ゆっくり」待つ事に。

しばらくして、ランチセットのサラダとスープがテーブルに並べられたところで、オムライスの調理開始が始まった。調理場に移り、お話しを聞いた。

「うちのチキンライスが美味いんです。」野菜のうまみが凝縮された出汁をチキンライスにかけながら、オーナーの植村さんはそう話す。農家だったから野菜があって、その野菜を使っているだけ、わざわざ自家菜園の野菜を使っているのではなく、自分で野菜を作っていたからそれを使う。チキンライスにかけている出汁はもちろん自分で作った野菜からとったものだ。チキンライスのお米は自家米で人呼んで「オムライス米」。六部付きで精米された米には味わいがあり、チキンライスの味を芯から引き立てるのに役立っている。

続いてデミグラスソースを温める。創業以来26年、継ぎ足し継ぎ足しで煮込まれたソース、猫をなでるかのようにお玉をソースに当てる姿は、愛情がこめられているようだ。

そしてメインの卵にかかる。

「何故オムライスのお店にしたんですか?」と尋ねると、「オムライスはみんな好きでしょ?子供も大人もみんな」という答えが返ってきた。

さらに、「オムライスはテクニックが要る。家じゃなかなかこんな風にうまくできない。」

なるほど、確かに私も料理は好きだがなかなかふんわりなオムライスは作れない。

「火力が家庭では、これだけ強くできないから」とフライパンの上の卵でチキンライスを包みながら話す植村さん。

「あとパセリが重要ね。パセリは大概の人が残すけど、これがあるのと無いのでは彩りが違う。食べてる時の味のアクセントにもなるし」

オムライスを作る植村さんは幸せそうだ。

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オムライスの中身のライスに加えられるのは野菜の出汁。自家菜園で収穫した野菜を使用。

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1996年の創業以来、継ぎ足しと煮込みを繰り返したデミグラスソース。旨味が詰まった秘伝のソースだ。

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大盛りのチキンライスをふわふわの卵に載せ、まとめ上げる。オムライスはテクニックだ。

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農家で育ったオーナーの植村さん。自分とこの野菜があるから、それを使った料理を提供。スープももちろん自家製。

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ランチに添えられる新鮮な野菜。

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この日のスープはジャガイモ。

アイスクリームは自家製に限る

オムライスの調理が終わったところでアイスクリームの機械を案内してもらった。オーナーの植村さん曰く、市販品と比べたら、自家製のアイスクリームは手がかかる。しかし、その分美味しさは比べ物にならない。というアイスクリーム。料理の後、バニラと抹茶のアイスクリームを食べたらまさに、その通り。甘さでごまかさない抹茶アイスの苦味もコーヒーによく合う。

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キッチン内にあるアイスクリームメーカーで作られる自家製アイスクリーム。余分なものが入っていない純な美味しさ。

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抹茶、バニラのアイスクリーム。上に乗るのは地元大和郡山市の老舗小谷商店の、きな粉豆。

贅沢なコーヒー

ランチドリンクにはホットコーヒーを注文。ネルドリップで淹れるコーヒーは一杯一杯入れるのではなく、何杯分かまとめてお湯を落とす。細挽きでは豆の雑味も出てしまうからと、豆は粗挽きに、そして多めの湯量で淹れる事で豆の旨味のみを引き出す事になるという。

時間をかけて淹れられたコーヒーは、「ミルクと合わせても負けない力強さです。」とオーナーの植村さん。

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ネルドリップで大量に淹れられるコーヒー。

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自慢のコーヒーがカウンターから。

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確かにミルクを入れても薄くならないしっかりとした味わいのコーヒー。

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スパゲッティは出してないけど、ナポリタンTシャツのユニフォーム。

HAMP3rdだけど、みんなHAMPさんって呼んでる

コーヒーカップや箸、テーブルペーパーなどの印刷はほとんど全て「HAMP」。

ん?店名は確かHAMP3rd と3rdがついていたハズ。創業者が現オーナーだから3世代目でもないだろうし、店名違うのか?と思い尋ねると、

「HAMP3rdだけど、みんなHAMPさんハンプさんって呼んでくれている。だからHAMP」

「あールパン三世みたいな感じですね?」

「そうそうルパン三世だけど、ルパン。HAMP3rdだけど、HAMP」と笑顔で答えてくれた。

実は創業以来の目標は干支で3周の36年。3周=3rdというのがお店の名前にこめられている。2022年で創業26年、干支でいう3rdの3周目に入って食事をされる皆さんにハッピーになってもらいたいと思いながらオムライスを作っているという事だ。

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大和郡山市は金魚の街。HAMP3rdの店先にも金魚が泳ぐ。

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