COLUMN 乗り物図鑑 8月号 船編 ~オレンジフェリー~ 自転車をフェリーに載せる

今回の乗り物図鑑は、数々あるサイクリングをするにあたっての移動手段の中でも、特色のある乗り物「フェリー」を紹介しましょう。

サイクリングをする時の移動手段

休日のサイクリング、目的地起点への移動として「フェリー」が実は隠れた人気があります。

自動車での移動のメリットは「公共交通機関の時間を考慮しない計画」「荷物など自分の空間が持てる」「起点を任意に選べる」

といった便利ではある反面、「運転手が必要」です。

電車での移動のメリットは「運転手は不要」なうえに「スケジュールに合わせて移動が可能」ですが、

「乗り継ぎ」や「起点が限られる」といった公共交通機関ならではの不便さもあります。

このように交通手段それぞれにメリット、デメリットがあり、前後のスケジュールや同行する人数、現地での行動予定などを考慮して、移動手段を選びます。

今回の乗り物図鑑は、数々あるサイクリングをするにあたっての移動手段の中でも、特色のある乗り物「フェリー」を紹介しましょう。

 

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宿泊と移動がセットになっている

フェリーとは自動車やオートバイ、自転車といった乗り物を運ぶ船です。

長距離の航路に就航しているフェリーは、宿泊がセットになっています。移動しながら寝る事ができるため総合してみると時間の節約になるうえ移動による疲れも無い、むしろサイクリング後の疲労回復にも役立ってしまうという乗り物なのです。

大浴場や食事といった施設が充実していて、快適な部屋でぐっすりと眠る事ができます。

これまで、「フェリーで長時間移動は疲れそうだな・・・」とか「船の中だと寝れなそう」などのイメージをフェリーに抱いていた方におすすめな特集です。

 

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大阪から、しまなみ海道・UFOラインへのフェリーモデルプラン

大阪の南港から愛媛の東予港を結ぶ「オレンジフェリー」。伺ったところ、人気の利用方法は船中2泊3日の往復利用。有名なしまなみ海道と石鎚山方面・UFOラインへのアクセスとして利用される方が多いとの事。

2泊3日の行程として下記のようなプランを参考に考えてみてはいかがでしょうか。

UFOライン 約120km

  • 金曜 大阪港 出発 22:00
  • 土曜 東予港 到着 6:00
  •    東予港 出発 7:00
  • UFOライン 11:00
  • 木の香温泉 14:00
  • 東予港 到着 18:00
  •    乗船:20:00
  • 日曜 大阪港 到着 6:00

しまなみ海道 往復 約170km

  • 金曜 大阪港 出発 22:00
  • 土曜 東予港 到着 6:00
  •    東予港 出発 7:00
  • 今治~しまなみ海道~尾道
  • 東予港 到着 18:00
  •    乗船:20:00
  • 日曜 大阪港 到着 6:00

また、しまなみ海道を片道のみサイクリングとすると

しまなみ海道 片道 約90km 往路フェリー 帰路新幹線

  • 金曜 大阪港 出発 22:00
  • 土曜 東予港 到着 6:00
  •    東予港 出発 7:00
  • 今治~しまなみ海道~尾道
  •    尾道 到着 14:00
  •    大阪 到着 夜

 

オレンジフェリーの旅の快適さ

船中2泊3日の行程だけを見ると弾丸ツアーに見えてきますが、実際に船に乗り込むと、その快適さで弾丸という印象が一気に吹き飛びます。

大阪南港から出航しているオレンジフェリー「おれんじ おおさか」の各部屋を覗いてみましょう。

船内に入ると中央部のホール部分で豪華な照明が出迎えてくれます。船の内部はホテル同様の作りで旅の雰囲気を盛り上げてくれます。

オレンジフェリーでは、ロイヤル、スイート、デラックスシングル、シングル/シングルプラス(シングル2段ベッド)のグレードに部屋が分かれ、乗船時から下船時まで利用可能な大浴場やレストランが設置されています。

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高級ホテルを思わせるエントランスホール。

ロイヤル ツイン/ダブル

ツイン(2室)、ダブル(2室)のロイヤルルームはツインが28畳、ダブルが19畳の広さを持ち、この上ない贅沢な空間で船旅を演出します。

ベッド、ソファ、バス、トイレ、アメニティやテレビなどの設備も充実。朝の窓からの眺めもオーシャンビューで目覚めも良いものになるでしょう。

往路での利用なら、しまなみ海道やUFOラインへのサイクリングに備えての休養に、復路なら旅の余韻に浸りながら熟睡できる事、間違いありません。

自転車はお部屋内に輪行袋での持込が可能です。

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ゆっくりとくつろげるソファとゆとりのあるスペース。

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ここは船の中。

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ダブルベッド仕様のロイヤルルーム。

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船で目覚めるとカーテンを開けるのがうれしくなる。

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アメニティも充実。

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ロイヤルルームにはプライベートバスルームが設定されている。

スイート 洋/和洋/和

ツインベッドの洋室と和洋室、布団の和室といずれも約9畳のスイートルーム。

ゆったりとしたベッドで、仕事の疲れを癒して翌日のサイクリングに備える事ができます。畳の和洋室、和室が用意されていて、よりくつろげるお部屋になっています。洋室/和洋室は定員が2名、和室は最大4名まで利用可能。家族での利用に人気のあるお部屋です。

自転車はお部屋内に輪行袋での持込が可能です。

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大画面テレビとの距離もあってゆっくりとくつろげる空間。

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素足で過ごす畳の部屋はサイクリングの帰路に嬉しいおもてなし。

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座椅子と布団でのびのびとくつろげる和室。

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旅の夜は浴衣で過ごしたい。

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和室のみ4名まで利用可能。

デラックスシングル

4.87畳のデラックスシングルルームはオプションのバイクスタンドを利用する事で輪行袋に入れずにそのまま自転車を持ち込む事ができます。

お部屋には小型のテレビ、洗面台が設置され機能的にもビジネスホテルを小さくまとめた印象。一人旅やグループで部屋を別々にしたい時に丁度良いサイズ。

仕事が終わって大阪南港へ向かい、乗船までに晩ごはんを食べて、20時に船に乗り込んだらお風呂に入って出航。ぐっすり寝て起きて、お風呂に入ったら船内で朝ごはんを食べて7時に出発。と、イメージが沸いてきますね。

オプションのバイクスタンド利用(要予約・別途自転車代)、もしくは輪行袋に入れる事で自転車の持込みが可能です。

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一人旅のサイクリングにおすすめなデラックスシングルルーム。

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オプションのバイクスタンドを利用する事で自転車をそのまま持ち込む事ができる。

シングル/シングルプラス

ベーシックグレードのシングルルームは最低限のプライベート空間を持ったシングルベッドとシングル2段ベッド仕様。

広さ的に自転車は持込みせずにオプションでの車輛甲板利用が良さそうです。

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スタンダードグレードのシングルルーム。

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2段ベッド仕様のシングルプラスルーム。

大浴場

乗船中はいつでも利用可能な大浴場。ここは乗船したらすぐにと下船前に入りたくなります。窓のスリットからは海が見え、海上というのを実感させてくれます。バブルジェットの浴槽は仕事の疲れも取る事ができ、サイクリングの前後もマッサージ効果で筋肉をほぐしてくれますね。

浴槽、洗い場の他にシャワールームが男女共に6箇所ずつ設置されていて、ササっとシャワーをしてから夕食、その後ゆっくりお風呂に。といった利用方法もありです。

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大浴場では窓のスリットから海が見える。

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海の上で入るお風呂。最高ですね。

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ドライヤーが設置されているドレスコーナー。

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大浴場の他、個室のシャワールームが設置されています。

展望

常時オーシャンビューを楽しめる船の共有空間。歓談の場、くつろぎの場としても窓からの夜景や絶景を眺めながら話も弾む事でしょう。

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テーブルを囲んで歓談ができるラウンジ。窓からは絶景と夜景が楽しめる。

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お風呂上りはここで窓の外をボーっと眺めながら黄昏てみたい。

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デッキに出ると空の広さを感じる事ができる。

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大阪南港から出航するとまず前方には神戸の夜景と明石大橋を見る。

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航行中は風もあるのでデッキは寒くなるから湯冷めに注意が必要。

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ロイヤル/スイートに宿泊の際に利用できるフォワードラウンジ。最前方に位置している。

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フォワードラウンジでは朝になるとカーテンから前方を眺める事ができる。ロイヤルとスイートを利用した場合のみの特権。

船というよりもホテル

フェリーのお部屋と設備、いかがでしたでしょうか?

単なる移動手段というよりも、むしろこれは宿泊施設ですね。

大阪南港22時発(乗船は20時開始)で愛媛東予港6時着(7時まで船内滞在可能)という運航時間も魅力的です。

ぐっすりと寝ている間に移動して、朝の目覚めも良くサイクリングがスタートできます。

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