COLUMN タイヤ幅の違いを知ろう! 25Cとか32Cってなんのこと?700Cとは違うの? 自転車のタイヤサイズを詳しく解説

自転車を選ぶ際に目安となるのが「タイヤ幅」です。その自転車がどんなタイヤを履いているかで、ある程度使い方がわかってしまうくらいには、タイヤ幅は自転車の性格を決める重要なパーツです。今回はそんなタイヤ幅の見方と、それぞれがどんな用途に合っているかを見ていきましょう。
  1. 700Cは直径。25Cはタイヤ幅
  2. 「タイヤ直径×タイヤ幅」
  3. 現代の規格
  4. タイヤ幅の違いで何が変わるの?
  5. タイヤ重量
  6. タイヤ交換で自転車の性格を変える
  7. タイヤ交換にかかる費用は?
  8. 自分で交換する
  9. まとめ

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700Cは直径。25Cはタイヤ幅

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スポーツ自転車のカタログを見ていると、説明欄のタイヤの項目で以下のような表記を見ることがあります。

700C×25C
700C×32C
26×1.95
29×2.4

「〇〇×〇〇」と言う表記です。
「×」印を境にして、前と後ろで数字が異なります。いったいこれは何を示しているのでしょうか?
そのルールと言うのが以下の通りです。


「タイヤ直径×タイヤ幅」

つまり先ほどの表記が示しているのは

700C×25C→「直径は700Cで、幅は25C」
700C×32C→「直径は700Cで、幅は32C」
26×1.95→「直径は26インチで、幅は1.95インチ」
29×2.4→「直径は29インチで、幅は2.4インチ」

単位として「C」と「インチ」が混在しています。

「C」と言うのはいわゆる「mm表示」(メトリック)を表しています。
「インチ」と言うのはヤード・ポンド法の単位の長さで、mm換算をするとおおよそ1インチ=25.4mmとなります。

初めてスポーツ自転車を選ぶ際にはこの表記の違いに混乱することがありますが、「C」と「インチ」の意味を理解すれば、スムーズに自転車を選ぶことが出来るようになります。


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現代の規格

ちなみに現代のスポーツ自転車においては、一部モデルを除いてほとんどが以下のような規格が採用されています。

ロードバイク・クロスバイク・・・700C
グラベルロードバイク・・・700C、650B
マウンテンバイク・・・26インチ、27インチ、29インチ、27.5インチ
小径車、折り畳み自転車・・・16インチ、18インチ、20インチ

マウンテンバイクと小径車については、タイヤサイズが混在しているのが現状です。

理由は走る場所、使用シーンが一定ではないからです。
ロードバイクやクロスバイクは基本的に舗装路を快適に走ることを目的として作られています。多少の路面状況の違いや勾配の変化などはありますが、求められる性能は基本的には一定です。日本に限った話ではなく、世界的にも同じような状況です。また、スポーツ自転車として最も台数が多いということもあり、規格が乱立するとメーカーもユーザーも混乱してしまうという理由もあります。

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一方でマウンテンバイクや小径車は実は用途が様々です。一言でマウンテンバイクと言っても実際に趣味としてのマウンテンバイクを深堀していくと驚くほど多様な楽しみ方があることが分かります。路面状況や走るコースも楽しみ方によって驚くほど変化します。ダウンヒル、トレイルライド、クロスカントリー等、競技内容によってもタイヤに求められる性能が大きく異なります。そのような変化に対応するために、タイヤの規格も数多く生まれました。

あえて現代、と表記しているのは昔のタイヤ規格はもっと細分化されていたからです。ランドナーと呼ばれる旅自転車に採用されていた「650A」「650B」などが代表例でしょうか。今でも残っていますが絶滅危惧種と言ってもいい規格がたくさんあります。スポーツ自転車がまだ普及していない時代の試行錯誤の名残・・・ですが、今ではほとんど見ることもなくなりました。


タイヤ幅の違いで何が変わるの?

タイヤ幅が影響するのは主に「乗り心地」「重量」の2つです。

他にも耐パンク性能やタイヤの種類などもありますが、まずは最も体感しやすい「乗り心地」「軽さ」を一つの判断基準として持っておくことで自転車を選びやすくなります。

タイヤ幅が増えるとはつまり

「エアボリュームが増える=タイヤに入る空気の量が増える」

ことに繋がります。タイヤの中(厳密にはチューブですが)には空気が入っていますが、この空気の量が多ければ多いほどクッション性が良くなって乗り心地が良くなります。

空気を入れて膨らませるクッションを想像すると分かりやすいですが、空気の量が多ければ多いほどふわふわになります。(空気を入れすぎると破裂してしまうのは自転車も同様です)

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タイヤ幅が太いと、地面からの振動が吸収されたり、段差の衝撃を緩和してくれます。
通勤や通学では綺麗な路面だけではなく、多少凸凹した道や、荒れた路面を走ることもあるかと思いますが、このようなシチュエーションでもタイヤ幅が太いと安定して走ることができます。

「じゃあ太い方がいいの?」と言うと決してそういうわけではありません。

スポーツ自転車の魅力の一つはその「軽快さ」にありますが、タイヤ幅が太すぎるとこの軽快さが損なわれてしまいます。ロードバイク等は特にその軽さが求められることから、細いタイヤが採用されることが多いです。近年では細ければ細いほど軽い、というわけでもなく、ある程度の太さを確保することで転がり抵抗を低減して結果として軽く走る(タイヤ幅で言うと28C前後)と言うのがブームとなっています。


タイヤ重量

一方で重量については想像しやすいと思います。
タイヤ幅が細い方が軽く、太い方が重くなります。

例えばロードバイク用のタイヤだと重量は軽いものだと200g前後。重いものでも300g前後ですが、マウンテンバイク用のタイヤだと3〜4倍の重量です。もちろんその分、タイヤが頑丈になったりパンクしにくくなったりとメリットもたくさんあります。


車種ごとの目安
ロードバイクとクロスバイクに注目して比較してみると以下のようになります。

ロードバイク・・・25C〜28C
クロスバイク・・・28C〜35C

スポーツ自転車のカタログを見ていると、おおよそこの範囲に収まっていることが分かります。

同じ車種でも25Cだったり28Cだったりしますが、この辺りは実際に「自分がどんな使い方をするのか?」「どう言う場所を走りたいか?」に合わせて選ぶと良いと思います。

例えば
・ロードバイクを選ぶ時に軽さや走行性能を重視したい場合は25Cを履いたモデル
・通勤通学で使う。速さよりも耐久性や乗り心地を重視したい場合は28Cを履いたモデル
と言ったように、用途に合ったタイヤを装着して自転車を選ぶことも重要です。

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タイヤ交換で自転車の性格を変える

タイヤは後から交換することも可能です。
25Cのタイヤを28Cにして乗り心地の向上を狙ったり、逆に32Cを28Cにして軽くしたり、タイヤを交換することで自転車の性格を変えることができます。タイヤは消耗品なのでおおよそ半年〜1年に1回程度の頻度で交換が必要になることがありますが、例えばそのタイミングでタイヤ幅を変えてみるのも面白いかもしれませんね!

注意点としては、装着できるタイヤ幅にも制限があると言うことです。タイヤを装着するホイール(リム)ごとに装着できるタイヤの幅が異なります。また、自転車のフレームについてもあまりに太いタイヤだとフレームとタイヤが接触してタイヤが回らなくなってしまいます。タイヤクリアランス、と表現されますが、つまりタイヤとフレーム、ホイールそれぞれの相性がしっかりとマッチしているかどうかを確認してから交換することが重要です。

フレームそのものやホイールによって状況が異なるため一概に「この太さはNG」とは言えないのですが、2サイズ近くタイヤ幅を太くする際には要注意です。(25C→32C、28C→35C等)


タイヤ交換にかかる費用は?

タイヤ交換でかかる費用は主に下記の通りです。

・タイヤ代金
・チューブ代金
・作業工賃(自転車店に依頼する場合)

それぞれ前後で費用がかかるので、目安としてはタイヤ代金で4千円〜8千円、チューブ代金で2千円、作業工賃で3〜4千円程度でしょうか。
特にタイヤは走行性能に大きく関わるパーツなので、思い切って良いタイヤを買うと幸せになれるかも!?

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自分で交換する

タイヤはやろうと思えば自分で交換することも可能です。

タイヤレバー、空気入れ、そしてタイヤとチューブがあれば作業は可能です。ただし、タイヤ交換にはそれなりのコツと練習が必要なのも事実。前後で交換するとなると慣れないうちは1時間以上時間がかかってしまうことや、交換に失敗するとチューブをダメにしてしまう場合もありますので、不安な方は自転車店に依頼することもお勧めします。

ですがタイヤ交換をすることができる、ということは「出先でパンク修理ができる」と言うことと同義なので、サイクリングをする場合は練習しておいて決して損はありません。タイヤの中のチューブを取り出して新しいチューブに交換する、と言う作業と全く同じ行程なので、スポーツ自転車に乗られている方の多くは自分で交換できるように練習される方がほとんどです。

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まとめ

タイヤは自転車の中で唯一地面と接するパーツです。
それゆえに走行性能や乗り心地に大きく影響してきます。自分の使い方にあったタイヤ幅をまずは把握して、タイヤカスタムをしていくのも楽しいですね!
まずはオーソドックスなタイヤ幅から使って、使っていく中で他のタイヤ幅に変えてみる、なんてチャレンジもおすすめ。色々と模索して見て理想のタイヤを見つけてみましょう。

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