COLUMN BMX研究室その1〜現役&小学生ライダーに聞くBMXの世界〜

自転車にはいろんな車種がありますが、今回紹介するのは「BMX」と呼ばれる自転車です。 東京オリンピックの新種目としても追加されて近年注目を浴びつつあるジャンルです。他の自転車とは異なる魅力がたっぷり詰まっています。今回はBMXの楽しんでいるライダーと、さらに!特別ゲストとして将来のBMXライダーの卵(?)である小学生BMXライダーにもお話を伺ってきました!
  1. BMXってどんな自転車?
  2. 他の自転車と違うところ
  3. BMXの魅力は「スタイル」にある
  4. BMXはどうやって始めたらいい?
  5. まとめ



今回はBMXライダーである田村敏雅さんに解説をしていただきつつ、小学生BMXライダーであるあかねちゃん(女の子、小学4年生)とあおしくん(男の子、小学2年生)にもコメントを頂戴しました!

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Instagram @akane_aoshi_bmx



1 BMXってどんな自転車?

BMX(ビーエムエックス)とは、Bicycle Motocross(バイシクルモトクロス)と呼ばれる自転車競技と、その競技に使用する自転車のことです。20インチの小さめのホイールと特徴的なハンドルを備えたシンプルかつ頑丈な構造の自転車です。1970年代のアメリカで、オートバイのモトクロス競技にあこがれた子供たちが自転車で真似をし始めたのが始まりと言われています。

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BMX競技は、

「スピードを競うBMXレース」

「ジャンプやトリックなどの技や難度を競うBMXフリースタイル」

に分かれます。なかでもフリースタイルは

「地面に足を着かないように技を決めるフラットランド」

「スケボーのパークを利用してジャンプ技を決めるパーク」

「公園などの街中で楽しむストリート」

「地面を掘り起こした大きなコブを連続してジャンプするダート」

「ハーフパイプを使って3~4mの大ジャンプ中で技を披露するヴァート」

といった種目に分かれます。そのため通常の走行快適性は重要視されないため、ライトやスタンドはもちろんのことブレーキもついていないことがほとんどです。

ここで小学生BMXライダーのお二人よりコメントをいただいています。

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あかねちゃん「ふつうの自転車とちがって、ジャンプや技ができる かっこいい自転車!」

あおしくん「なんでもできる。とべる。」

簡潔でいてものすごい説得力です。



BMXレース

土やアスファルトで作られた大小様々なコブのある1周300~400mのコースで順位を競う競技です。スピーディーでスリリングなレース展開が魅力的で5歳から年齢・能力別に細かくクラス分けされており、最大8人で競い合います。

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国際自転車競技連合(UCI)の管理種目であり、オリンピック競技でもあります。また、大会ごとに予選、準決勝、決勝と着順を争い、更に年間の成績でランキングが決まり、レース中の接触や転倒、何が起こるか分からない激しさから「自転車の格闘技」とも呼ばれています。



BMXフリースタイル

来年の東京オリンピックから正式種目になったフリースタイルパークは、何と言っても圧巻のダイナミックなトリックが見どころです。大きさや難易度ともに多種多様なセクションが設置されたパークで、1分・2回の持ち時間内でトリックを競います。

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技の完成度・難易度・オリジナリティに分けて加点され総合得点で勝敗を決定します。現在では一般社団法人 全日本フリースタイルBMX連盟がオリンピックに向けて活動をしています。パーク以外にも平坦な場所でトリッキーな技を競い合うフラットランドや、街中の建造物を使ってトリックを決めるストリート、他にもダートやヴァート等、ジャンルは様々です。

2 他の自転車と違うところ

BMXの特徴は、ロードバイクやMTBと比べると「小さくて小回りが利く」ということです。そして、激しいジャンプやスタントプレイに耐えうる車体は、マウンテンバイクのようなサスペンションや、ロードバイクのような変速機能がなく、構造が単純かつシンプルです。まさに飛んだり跳ねたりして遊ぶことに特化した自転車です。

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また、BMXでよく見かけるハンドルがくるくる回るジャイロブレーキと言うシステム、これは技をやる上でブレーキのケーブルが絡まらないようにするシステムです。ブレーキレバーも一般自転車と違い右が後ろ、左が前とするのがBMXです。

さらにBMXといえば、「ペグ」 と呼ばれるホイールの横に取り付ける棒状のパーツが特徴的です。左右どちらかに前後輪合わせて2本、あるいは左右取り付けて4本、それを縁石やレールにひっかけて技のレパートリーを増やすパーツです。

街乗りは想定されていないためライトやスタンド、ブレーキもついていない車体がほとんどです。フリースタイルの車体は負荷がかかるので丈夫なクロモリ と呼ばれる鉄製のものがほとんどで、BMXレースの車体は軽さ重視のため、アルミやカーボンといった軽量素材が主流です。



さて、再びコメントを紹介しましょう。

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あかねちゃん「軽い。バランスがとりやすい。小さくて、サドルは低い」

あおしくん「カゴがない。タイヤが太い。じょうぶで強い」

BMXの特徴を完璧に捉えられています!



3 BMXの魅力は「スタイル」にある!

なんと言ってもオシャレでカッコいい!

そしてダイナミックでスリリング!といったとこでしょうか!

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技をアレンジしたり新しい技の開発ができ、追求すればするほどにライダーのスタイルの違いや特徴が現れてきます。

フリースタイルでは、フラットランド、パーク、ダート、ストリート、ヴァートのいずれであっても、難易度やオリジナリティが高い技で競い合うのが特徴です。そのため、たとえ同じ技であっても、披露するライダーによって見え方が全く異なるのがBMXのおもしろいところです。そのスタイルの違いを感じとり真似をすることで新しい自分のスタイルが生まれるかもしれません!

また、速さを競う「BMXレース」はスピード感とレーサーたちの駆け引きに心躍ります。レースコースで持てる力を振り絞り全力疾走する姿は、獲物を追う野獣のように猛々しく、胸が熱くなります。こういった自分の好みのBMXスタイルを見つけられることもBMXの魅力だと言えるでしょう。

そして、自分好みのスタイルのBMXライダーを通して、このおもしろさを感じていただけたなら、ぜひチャンレジしてみてください。近年では 幼いうちからBMXを始めることができるように、14インチから16インチ、18インチとサイズ展開もされており、大人も子どもも気軽に楽しむことができます。



さて、お二人のコメントは・・・

あかねちゃん「ジャンプとか技ができる。わざがきれいに決まると気持ち良い!友達と教えあったり」

あおしくん「わざができるようになると達成感がある。」

二人「BMXはかっこよくて楽しい!!

かっこよくて楽しい!

4 BMXはどうやって始めたらいい?

さて、先に小学生ライダーお二人からのコメントをいただきました。

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あかねちゃん「何をするにもまずは平地でプッシュ練習する。あとはBMXの動画とか検さくしてどんななわざがしたおとか見てみたらいいと思う。大泉緑地きてくれた教えるねんけどなぁ」

あおしくん「まずはBMXに乗ってみる!ふつうにこいでみて、次に立ちこぎする」」

素晴らしいコメントをありがとうございます。

大泉緑地に急げ!!



さて、引き続き田村さんによる解説に戻りましょう。

まず一番大事なのは挑戦したいライディングです。自分がどのようなライディングに挑戦してみたいかで選ぶべきBMXが異なるため、しっかりとやってみたいライディングスタイルの特徴を把握しておくことが大切です。

たとえば、BMXレースに挑戦したい場合は、「レーサーBMX」と呼ばれる専用の自転車が必要です。レースで相手を追い抜いて1番になりたい!フルスピードで駆け抜ける競争やスピード感を楽しみたい!という人にはレースがおすすめです。

またそれとは反対に、フリースタイルは次の東京オリンピック新種目としても注目を浴びているため、流行りに乗りたい!オリジナルな技を編み出したい!という人におすすめです。基本的に技の種類は無限大です!誰かと速さを競うのではなく「自分のセンスとの戦い」といったところです。技ができるようになる喜びはRPGゲームでボスを攻略した快感に似てます!コツコツと練習をすることが大切で、レベルアップが好きな方にはおすすめです。

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また、フリースタイルにはジャンル別に競技がありますが、どれもスケボーの感覚に精通しているところがあるため、横乗りスポーツが好きな人はBMXにハマりやすいと思います。さらにBMXは、おしゃれなアパレルラインやスクールなども展開されているため、多方面から魅力を感じることができるスポーツです。

機材に関してはBMXレース用もフリースタイル用も「4〜15万円」とかかる費用はグレードで差が生じます。できるだけ失敗しないように、BMXを購入する際は、自転車専門店やプロフェッショナルからのアドバイスをもらうようにしましょう!初めはコンプリート(完成品)バイクがおすすめです。コンプリートモデルなら、平均的な身長や希望のライディングスタイルさえしっかりと把握していれば、大きく失敗してしまうことも少ないでしょう。



5 まとめ

結論から言うと、BMXは熱い競技です!「スピードを出す」「自転車に乗りながら空中を飛ぶ」などといった危険な技も多く、BMXをする限り怪我はつきものかもしれません。

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しかし!上記で説明した以外にもBMXを知っていくともっともっとたくさんのことが新しく生まれてきます。オシャレを目的としたものや、遊びを目的としたもの。それを知っていくとさらに楽しさも倍増していきます。

そしてBMXはスポーツです!他のスポーツと違い、生活の一部でも使える自転車競技なので、BMXをスポーツとして乗るも良し!オシャレで乗るも良しです!自分のライフスタイルにどう取り入れるかは自分次第です。カッコよくカスタム!練習してBMXを楽しむことが一番です。

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最後に小学生ライダーの二人にもまとめのコメントをいただきました。

あかねちゃん「BMXは年齢性別関係なく楽しく乗れます。特に女の子ライダーが少ないので増えて欲しい!!」

あおしくん「失敗してもみんなはげましてくれるし頑張ってやったらみんな応援してくれるから嬉しい。やる気が出るよ」

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大人顔負けの素晴らしいスタイル!信念!BMXを通じてたくさんのことを吸収されているように見えました。もしかすると人間的にも成長できる乗り物なのかも??

田村さん、あかねちゃん、あおしくん、素晴らしい世界の紹介をありがとうございました!皆さんも是非BMXの世界へ少しでも興味を持っていただければ幸いです。

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ライター情報

田村敏雅 サイクルベースあさひ新金岡店 副店長 

岩川緋音(あかね)小学生BMXライダー

岩川碧詩(あおし)小学生BMXライダー

インスタグラム @akane_aoshi_bmx

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